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DDoS攻撃とは?概要から防御策まで徹底解説

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DDoS攻撃という言葉を聞いたことはありますか?

最近のサイバー攻撃の中で頻発しているこの攻撃方法について、詳しく知ることは今や必須となっています。

この記事では、DDoS攻撃とは何か?その全貌についてわかりやすく説明します。

この記事をおすすめできる人

  • IT業界で働いている人
  • ウェブサイトを運営している人
  • サイバーセキュリティに関心がある人

DDoS攻撃とは

DDoS攻撃は、多数のコンピュータを使って一つのサービスやサーバに大量のアクセスを行い、サービスをダウンさせる攻撃手法です。

この記事ではDDos攻撃について、以下の項目を解説していきます。

  • DDoS攻撃の概要
  • DDoS攻撃の歴史
  • DDoS攻撃の主なタイプと特徴
  • 攻撃を受けた時の症状

DDoS攻撃の概要

DDoSは”Distributed Denial of Service”の略で、この攻撃手法は分散型サービス拒否攻撃を意味します。

簡単に言えば、複数のコンピューターまたはデバイスを利用して、ターゲットとなるサーバーやネットワークに対して大量の不正なトラフィックを送りつけることで、そのサービスやネットワークを一時的に利用不能にする、またはパフォーマンスを大幅に低下させる攻撃のことを指します。

攻撃の規模や強度によっては、ターゲットのシステムを完全にダウンさせることも可能です。

DDoS攻撃の特徴
  • 大量のトラフィック生成
  • 複数のデバイスからの同時アクセス
  • サービス過負荷による停止
  • 正常なユーザーへのアクセス遮断
  • IPスプーフィング利用
  • 短時間の大量アクセス
  • 複数の攻撃方法の組み合わせ使用

DDoS攻撃の歴史

DDoS攻撃の歴史は、インターネットが主流となった1990年代初頭に始まります。

初期の攻撃は単純で、攻撃者が利用できる限られたリソースからのアクセスを増やすことでターゲットをダウンさせる形態が主でした。

しかし、時間とともに技術が進化し、攻撃者が利用できるリソースも増えてきたことで、より複雑で効果的な攻撃手法が生まれるようになりました。

DDoS攻撃の主なタイプと特徴

DDoS攻撃にはいくつかの主なタイプがあり、それぞれに特有の手法や目的が存在します。

攻撃のタイプ主な特徴
ボリューム攻撃大量のトラフィックでターゲットのリソースを飽和させる。
最も一般的な例はUDP FloodやICMP Flood。
プロトコル攻撃ターゲットのリソースや通信設備に問題を引き起こす攻撃。
例として、Ping of DeathやSmurf攻撃がある。
アプリケーション層攻撃特定のアプリケーションに対して送られる不正なリクエスト。
SlowlorisやHTTP Floodが該当する。

ボリュームベースの攻撃は、ターゲットのネットワーク帯域を飽和させることを目的としています。これに対して、プロトコル攻撃は、ターゲットのシステムリソースやサーバーのリソースを飽和させることを狙います。

さらに、アプリケーション層攻撃は、特定のアプリケーションをターゲットとし、そのアプリケーションの動作を不安定にすることを目的としています。

DDoS攻撃を受けた時の症状

DDos攻撃を受けたときの主な症状
  • 突然のトラフィックの増加
  • ウェブサイトの応答速度の低下
  • 通常のページロードエラーの増加
  • ネットワークの帯域幅の急激な消費
  • 接続の断絶や不安定な接続
  • サーバの過度な負荷
  • 外部からのサイトへの接続障害
  • 管理者へのアクセスの困難
  • 防御システムやファイアウォールのアラートの増加
  • 特定のIPアドレスからの異常な接続試行
  • メールサービスの中断

DDoS攻撃を受けたときの主な症状としては、サービスの応答が極端に遅くなることや、サービスへのアクセスが一時的にできなくなることが挙げられます。

また、システムが異常に遅れる、インターネットの接続速度が大幅に低下する、特定のアプリケーションの動作が不安定になるなどの現象も報告されています。

これらの症状が突然発生した場合、DDoS攻撃を受けている可能性が高いと考えられます。

DDoS攻撃のメカニズムとは

ここでは、DDoS攻撃の背後にあるメカニズムと、どのようにして実行されるのかを詳しく解説します。

  • 攻撃の動機と目的
  • 使用される方法
  • 複数のコンピュータを利用する理由

攻撃の動機と目的

DDoS攻撃は様々な動機や目的で行われます。

その中でも、報復や競合他社への妨害を目的として商業的な利益を求めるケースが多いです。また、政治的、宗教的な理由や社会的メッセージを発信するための手段として使用されることもあります。

加えて、単にシステムの脆弱性をテストするためや、技術的な挑戦としてDDoS攻撃を行う者もいます。

使用されるツールとテクニック

DDoS攻撃には、さまざまなツールやテクニックが利用されます。その中でも、ボットネットは最も一般的な手法の一つです。

ボットネットとは、攻撃者がリモートで操作できる複数のコンピューターやデバイスのネットワークのことを指します。攻撃者はこれらのデバイスを使用して、ターゲットに対して大量のトラフィックを一斉に送信することで、サービスをダウンさせます。

また、偽のトラフィックを生成するための専用のソフトウェアや、既存の脆弱性を利用するテクニックも多用されます。

複数のコンピュータを利用する理由

DDoS攻撃の特徴の一つは、複数のコンピュータやデバイスからの同時アクセスです。この手法を採用する主な理由は、単一のコンピュータからの攻撃よりも遥かに大きなダメージをターゲットに与えることができるからです。

複数のデバイスを使用することで、攻撃のトラフィック量を増大させ、ターゲットの防御システムを迅速にオーバーロードさせることが可能となります。

さらに、複数のソースからの攻撃は、攻撃の追跡や特定を困難にするという利点も持っています。

DDoS攻撃への防御策

基本的な防御手段

DDoS攻撃の主な防御手段
  • リソースの冗長性の確保
  • トラフィックのフィルタリング
  • ファイアウォールの強化
  • ルーターのセキュリティ設定の最適化
  • IDS(侵入検知システム)の導入
  • IPS(侵入防止システム)の導入

DDoS攻撃への最も基本的な防御手段は、リソースの冗長性を持たせることやトラフィックのフィルタリングです。

冗長性を持たせることで、攻撃時にもシステムがダウンしづらくなります。また、不正なトラフィックを検出してフィルタリングすることで、正常なトラフィックだけを通過させることが可能になります。

これはファイアウォールやルーターの設定を強化することで実現されることが多いです。

進化する攻撃手法に対する対策

DDoS攻撃の手法は日々進化しているため、定期的なセキュリティアップデートとモニタリングが必要です。

新しい脅威や攻撃パターンを早急に検出するためのIDS(侵入検知システム)やIPS(侵入防止システム)の導入も考えられます。

また、セキュリティの専門家と連携し、最新の脅威情報を常にキャッチアップすることも効果的です。

企業がとるべき具体的なアクション

企業としては、DDoS攻撃に特化した専門のサービスやソリューションを取り入れることを検討するべきです。

DDoSミティゲーションサービスは、大規模な攻撃トラフィックを吸収・分散させることができます。さらに、スタッフの教育やトレーニングを実施し、攻撃の兆候を早期に発見できる体制を築くことも重要です。

予算やリソースに応じて、内部的なセキュリティチームを持つか、外部のセキュリティ専門企業と提携するかを選択することが考えられます。

まとめ

この記事では、DDoS攻撃とは何かについて初心者向けに網羅的に解説しました。

DDoS攻撃は企業や個人のオンライン活動を脅かす重大な脅威となっています。攻撃の種類や特徴を理解することは、適切な対策を講じる第一歩です。

基本的な防御手段から進化する攻撃手法に対応する対策まで、多岐にわたる対策が存在します。企業としては、専門的なサービスを利用したり、スタッフの教育を強化することで、攻撃のリスクを低減させることができます。