家族ありだけど、フリーランスになるのは無謀なのかな?
働き方次第では会社員より多くの収入を得ることができるフリーランス。しかし、リスクも大きいので、家族がいる場合は不安も大きいですよね……。
そこで、この記事では家族ありだけどフリーランスという働き方に興味がある人に向けて、不安になる要因と、それでもなるべき理由を解説します。
結論から言うと、私は家族ありの方にもフリーランスへの転向をおすすめしています。
目次
家族ありでフリーランスになるのは不安?当てはまったら検討してみよう
家族がいるから不安と思っている反面フリーランスになりたいと思うのには、やはり相応の理由がありますよね。
- 家族との時間のこと
- 給料のこと
- 今の会社の先行きが不安
- 人間関係がうまくいっていない
ここでは、家族ありでもフリーランスへの転向を考える人のよくある理由を4つ取り上げました。ひとつでも当てはまるなら、フリーランスを前向きに検討することをおすすめします。
仕事が忙しくて家族との時間が取れない
家族ありの人がフリーランスになりたくなる理由の大きな一つ目は、「仕事が忙しくて家族との時間が取れない」ということ。家族のために働いているのに、自分は会社にばかり拘束されて家族との時間がない、というのは本末転倒です。
帰宅後や週末に家族との時間を取れたら最高ですが、毎日残業になり休日出勤まで求められるから時間も体力も残らない。有給休暇の取得が「労働基準法」で認められている権利だと知ってはいても、実際は取らせてもらえなかったり、会社に迷惑がかかるからと申請できなかったり。
仕事が忙しくなって家族との距離ができてしまうと、家族との関係も悪くなってしまいます。家族とうまくいかないと仕事での生産性も低下、ストレスでまたけんかしてしまう……悪循環ですね。
仕事でベストを尽くしたいけど、日々の生活の舵取りを会社にさせたいわけではない。家族との時間を取りやすいワークスタイルでいきたい。と考えると、フリーランスへの転向を考えたくなりますよね。
給料が安い
長い残業時間や休日出勤に耐えていても余暇の時間が持てないという辛さに加えて、頑張っても給料が安いとくると、またフリーランスへの願望に拍車がかかりますね。
国税庁が発表した「民間給与実態統計調査(平成30年分)」によると、会社員の平均年収は441万円です(民間企業の従業員(非正規雇用を含む)と役員の年収が対象)。この金額から税金や社会保険料が2割ほど差し引かれるので、手取り収入の平均はおよそ343万円となります。
いくら残業しても、給料もボーナスも会社の利益次第で、会社の利益が少なければ給料もボーナスも上がらない。昇進すれば給料が上がるけど、昇進して管理職に就けるのは一部の人のみ。
在籍期間が長くなったからといって給料が上がるわけではなく、成果を出しても会社に評価してもらえない……ということも。フリーランスで自分の得意分野を思う存分発揮して働いた分収入が得られたら、と考えると独立もしたくなります。
先行きが不安
先行きが不安、というのもありますね。現在、多くの中小企業が30年ほどで寿命を迎えているという統計が出ています。会社の寿命より労働人生のほうが長いため、このままこの会社に勤め続けていても本当に大丈夫なのか心配になります。
また以前は、企業倒産が発生しない限り定年まで雇用する、という終身雇用の慣行がありました。退職金や在籍年数が長くなるにつれて給料アップしていくという安心がありましたが、現在の中小企業では終身雇用制度はほぼ存在しない状態です。
会社に自分の未来を預けられない、在籍期間が長くなっても退職金や給料アップを見込めない、という現状が、先行きを不安にならせて独立したほうがいいのかもしれないと考えさせられます。
上司や同僚との人間関係で悩んでいる
会社勤めで避けられないのが、職場での人間関係です。上司や同僚に恵まれていれば、多少給料や仕事内容に不満点があっても楽しく働けます。
意地悪な上司や不公平な待遇、同僚の中でのいじめや差別。他にも、マニュアルにはめ込まれて提案したアイデアが受け入れられなかったり、家族のために時間を取りたいのに、迷惑がかかると煙たがられたり。
こういう人間関係での悩みがある場合、仕事自体が好きでも出勤するのが苦痛になります。今は持ちこたえられてもこの職場でずっと働き続けられるか自信が持てなくなってしまいます。
生活のために働くのに、職場の選択肢は一つしかないわけではありません。今の職場の人間関係で自分の価値を見失うより、人間関係の面でストレスフリーなフリーランスになって自分の価値を認めてくれる人たちと働くほうが身のためです。
家族ありでフリーランスになるのが不安な理由とは
収入が不安定になるかもしれない不安
一番の不安要素は、収入の不安定さでしょう。フリーランスはワークスタイルが型にはめられない分、収入面ではどうしても不安定になりやすい働き方です。
人生設計を立てるとかローンを組むことを考える時、収入が不安定なのはたしかに不安なものですね。契約先の会社の業績が傾いた時にまっ先に切られるのが派遣社員やフリーランスなのでいつ収入が途絶えるかも分かりません。
また、契約できて仕事があっても、案件の納期が延びて入金が遅れることもあり、個人同士の契約だからこその不安もあります。
社会保障が貧弱
会社員と比較して社会保障が貧弱である、ということも大きな不安要素です。健康保険には「社会保険」と「国民健康保険」の2種類がありますが、フリーランスは個人事業主なので社会保険には加入できません。
怪我や病気で医療機関にかかるときの自己負担が3割になるのは、社会保険でも国民健康保険でも同じです。フリーランスは社会保険に入れないから国民健康保険への加入手続きが必要、ということは分かっていても、その差が分かりにくいと思いますので、ここで少し説明しますね。
広義の社会保険には国民健康保険や国民年金、労働保険も含まれます。国民健康保険と対義語として「社会保険」「社保」と言う場合は、サラリーマンが加入する健康保険のことを指します。
社会保険の加入対象はサラリーマンとその家族で、配偶者や親など低所得の親族を扶養に入れることができます。被扶養者が何人いても納める健康保険料は変わりません。
病気や怪我をしたときには傷病手当金、出産をしたときは出産手当金など、仕事ができない状況になった時に医療給付や手当金を支給し生活を安定させるために助けてくれます。保険料の支払いは被保険者と事業所で折半するのが一般的です。
国民健康保険、いわゆる「国保」の加入対象は、自営業者、年金受給者、無職の人、扶養に入っていない学生などです。社会保険や共済組合などの健康保険に入っていない人が対象です。
国民健康保険では、配偶者や親を扶養に入れることができないので、家族の人数分国民健康保険料を納める必要があります。傷病手当金や出産手当金などの制度はありません。
また、フリーランスには福利厚生がないのでそこも不安要素になりますね。通勤手当などはリモートワークでは必要ないですが、健康診断や育児休業・介護休養などの支援があるのはありがたいことです。
レジャー、買い物、旅行などで受けられる割引制度なども福利厚生が整った会社で働くメリットのひとつですが、フリーランス向けの案件紹介サービスの中には福利厚生サービスが充実しているところもあるので、うまく活用すればその点は心配要りません。
スキルに自信がない
フリーランスは、個人事業主となって企業や個人と契約し、スキルを提供して対価を得るという働き方です。そのため、当然ながら、スキルがあればある人ほど報酬は高く、スキルがなければそれだけ報酬は低くなります。
フリーランスとして、会社員と同等もしくはそれ以上稼ぎたいなら、それだけスキルが必要とされます。今のスキルのまま独立しても独立した後十分稼いでいけるか心配だと、フリーランスへの転向のハードルは高いように感じるでしょう。
家族ありでもフリーランスになるべき理由とは
ここまで、家族ありでもフリーランスになりたいと思う理由や、家族ありだからこそフリーランスになるのが不安な理由について取り上げました。共感されるポイントはたくさんあったと思います。
フリーランスで働いている身として私は、家族との時間が取りたいとか、職場での人間関係に悩んでいる、という方には、フリーランスへの転向をおすすめしています。ここでは、家族ありでもフリーランスになることを私がおすすめする理由をご紹介します。
将来も通用するスキルを身につけられるから
フリーランスで働く人の中には、今後もフリーランスとして働き続けられるか、食べていけるか不安を抱えている人はけっこういます。しかし、サラリーマンでも、同様の不安を抱えている人が多いのも事実です。
終身雇用というスタイルが崩壊しつつあるので、今後もこの会社でずっと働かせてもらえるか、この会社はずっと今後も安定しているのか、といった不安をサラリーマンも抱えています。フリーランスになったから不安、サラリーマンでいれば不安ゼロというわけではないのです。
サラリーマンのままでいてもフリーランスになっても、今後を不安に感じるのは実は同じなんですね。どんな働き方をするかよりもその先で何を積み重ねていくかが差を生むことになります。
フリーランスは、将来も通用するスキルを身に付けられる働き方なので、今の努力が決して無駄にならない、ということでおすすめです。サラリーマンは、配属された部署以外のことはあまり知らない、ということが多いものです。
フリーランスは、下請けだけの時はサラリーマンとあまり変わりませんが、手を伸ばして他の分野に挑戦してみようとすれば、機会はいくらでも転がっています。実務未経験のエンジニアや、経験年数1~2年のエンジニアに案件を紹介してくれるフリーランス向け案件紹介サービスも存在します。
独学やスクールで新たな分野の知識を学び、未経験可案件で技術を学び、実績を積んでスキルを身に付けていくという方法があります。スキルは一度身に付ければその後また他の案件に繋がりますし、既に持っていたスキルと組み合わせて自分の希少価値を高めていくこともできます。
フリーランスになりたてで不安があるのはみんな同じですが、フリーランスだからこその時間の自由を活かしてスキルを身に付けていけば最終的にはサラリーマンより稼げるようになるのも夢ではありません。
- フリーランスとサラリーマン共に将来の不安は存在する。
- 終身雇用の崩壊によるサラリーマンの不安増大。
- フリーランスは多岐にわたるスキル習得が可能。
- サラリーマンの知識は部署特有で限定的。
- フリーランスは広い分野への挑戦が可能。
- 実務未経験も対象のフリーランス案件サービス存在。
- 新スキル習得は独学や未経験案件を通じて可能。
- 獲得スキルは将来の案件や希少価値向上に繋がる。
- スキルアップでフリーランスの収入増加が見込まれる。
柔軟な働き方ができるから
フリーランスをおすすめするもうひとつの理由は、柔軟な働き方ができることです。これは、家族ありの方にはメリットしかありません。
家族がいると、子どもの健康や教育などのために時間を作る必要が、平日休日関係なく生じるものです。会社に拘束されて仕事していると、家族のために予定を変更したり時間を取り分けたりするのが難しくなります。
フリーランス向け案件にはリモートワーク案件や週2~4日OK案件がたくさんあります。時間も場所も、仕事の日数も固定されないので、家族のための時間をどれくらい取るか、自分の采配で決めることができます。
実際、フリーランスとして働いているメリットを活かして主夫生活を楽しんでいるパパや、自宅にいながら仕事と家事育児の両立を実現しているママは多くいらっしゃいます。家族のために働き、家族のために時間を取りやすいのは最高ですね。
家族ありでもフリーランスとして安定して働く方法
家族ありでフリーランスになるなら、安定して働くための努力はもちろん欠かせません。安定して働くには以下の3つの条件を心に留めておくことが大切です。
- 高単価の案件を請け負えるスキルを持つ
- 長期で安定して働ける仕事を請け負う
- 毎月固定報酬を貰える仕事を請け負う
高単価の案件を請け負えるスキルを持つ
フリーランスとして高収入を目指すには、市場での競争力を高めることが必要不可欠です。
そのためには、他のフリーランサーよりも高い価値を持つスキルや専門知識を習得することが求められます。例えば、特定のプログラミング言語やデザイン技術、特別なコンサルティング能力など、ニーズが高く、供給が少ない分野のスキルを身につけることで、高単価の案件を獲得するチャンスが増えます。
このようなスキルを習得することで、少ない仕事量でも十分な収入を得ることが可能となり、家族との時間も確保しやすくなります。
長期で安定して働ける仕事を請け負う
フリーランスの仕事は、プロジェクトベースでの短期間のものが多いため、次の案件を探す時間やエネルギーが必要となります。
これは、家族を持つフリーランサーにとっては、安定した収入を求める上での大きなハードルとなることが多いです。そこで、短期の案件よりも長期で安定して働ける仕事、例えば継続的なサポートやメンテナンスが必要なプロジェクトを優先的に獲得することが有効です。
これにより、一つの案件から長期間の収入を得ることができ、次の仕事の確保に関する不安を減少させることができます。
毎月固定報酬を貰える仕事を請け負う
フリーランスの仕事には、成果報酬型や時給制など、さまざまな報酬形態が存在します。中でも、
毎月固定の報酬を受け取ることができる仕事は、収入の安定性を求める家族持ちのフリーランサーにとっては魅力的です。
例えば、定期的なコンテンツの作成や継続的なサポートを提供する仕事など、毎月一定の作業を行い続けることで固定の報酬を受け取ることができます。このような仕事を獲得することで、毎月の収入をある程度見込むことができ、生活の安定性を高めることができます。
フリーランスにおすすめの職業とは?
ここで紹介した3つの条件を満たす職種としておすすめなのが、エンジニア職です。
- 将来性が高い
- 単価が高い
- 長期で安定して働ける
- リモートワークの求人も多い
- 時短勤務・週2~3可の案件もある
エンジニア職はどこも人手が足りない状況なので将来性が高く、一度習得すれば将来的にも通用する武器になること間違いなしです。
家族ありでフリーランスに転向することを検討しておられる方には、エンジニアとしてプログラミングのスキルを身に付けてから独立するのがおすすめです。
まとめ
家族ありでフリーランスになりたいと思いながらも不安になるのは、家族に安定した暮らしをさせてあげたいという気持ちがあるからこそ、ですよね。先行きを不安に感じるのはサラリーマンも同様です。
フリーランスへの転向のためにこれから準備をする方、また今後の安定のためにスキルを身に付けることを考え中の方には、エンジニアスキルを身に付けることがおすすめです。フリーランス生活では、
- 将来も通用するスキルを身に付けられる
- 柔軟な働き方ができる
- 家族との時間が取りやすい
- 上司や同僚との人間関係の悩みから解放される
など、メリットがたくさんあります。一度きりの人生、かけがえのない家族のためにも、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。